出典:Netflix
作品情報
タイトル | ザ・コール 콜/Call |
制作年 | 2020年製作 |
監督 | イ・チュンヒョン |
脚本 | イ・チュンヒョン |
出演 | パク・シネ,チョン・ジョンソ,キム・ソンリョン,イエル 他 |
特記 | 映画 恐怖ノ黒電話(2011年 英)の脚本を韓国テイストに。 イ・チュンヒョンは本作が長編デビュー作 |
超要約 | 過去(1999年)と現在(2019年)、2つの時間を生きる2人の女性が1本の電話で・・・。 |
視聴方法 | Netflix |
上映時間 | 112分 |
薄気味悪い森の中にひっそりと佇んでいるババサマの洋館。中に入るとヒヤッとする空気。遠くから日が差し込む暗い居間でコードレス電話を見つめるノリタン。そこへババサマが突如包丁を持って現れる。

「ぎゃーーーっ」深夜に「ザ・コール」を見た後なので怖すぎです!
あまりに怖い映画で前半一度画面を消してしまいました。・・・が、やはり続きが気になり、主人公と一緒にコードレス電話がいつ鳴るんじゃないかとびくびくして最後までいっきにみました。

その映画は、恐怖ノ黒電話(2011年 英・プエルトリコ)の脚本をイ・チュンヒョン監督が韓国テイストに見事に脚色した作品だね。
もともと劇場公開が予定されていた作品だそうだが、新型コロナの影響で2020年11月にNetflixを介して配信になった作品です。劇場で見なくても充分に怖いです。
ミニ情報

主役のチョン・ジョンソと俳優なみにかっこいいイ・チュンヒョン監督は公開恋愛中💕。
イ・チュンヒョン監督は若き天才監督で有名。短編映画「バーゲン」で注目を集め、数々の名だたる賞を受賞しております。今回もそれに加えてアイドル級のビジュアルですよね。俳優を目指さないのかな??と思って調べてみたのですが、演劇映画学科に進学して、演技の授業を数回受けたところ、性格に合わず、今は俳優をやることは全く考えていないとの事。現在主役のチョン・ジョンソとイ・チュンヒョン監督は公開恋愛中💕。素敵ですね。
ザ・コール この作品が終わってから監督がチョン・ジョンソの家の前まで行って、ただ歩きたいと言ったとか。そしてコンビニでカップ麺を食べているうちに付き合うことになったらしい。
美男美女のお似合いのお二人ですよね。
ホラー映画ではない

この映画はホラー映画ではないですよね。
とにかく音楽も映像もすべて怖いんです。壁の穴を覗くだけでこんなに怖いなんて。※ゴアは少なめなのにこの怖さは何~。メロドラマ要素一切もなし、だけど気になってずーっと手に汗握って見入ってしまいます。ジャンルは言ってみるならば、サスペンスタイムトラベルスリラーかな。血しぶきは少なめだけど怖いと言うことは、想像力を掻き立てるのがうまい監督ですね。※ゴア=血・殺人・暴力など。
色彩表現 特にあざといまでに「赤」をポイント使用

とにかく「赤」をしつこく多様していたね。
赤いベルト・赤いイチゴ・赤いウイッグ・赤いスカート・ヤンニョムチキンを初めて外で食べる際のヨンスクの後ろに映る壁紙ポイントの赤・衣料品店の赤い看板とショーウィンドウのマネキンの赤い服などなど・・・。挙げるとキリががないくらいでしたね。黒澤明監督の時代から特定の登場人物やテーマに色彩を当てはめる手法はあったと思うけど、イ・チュンヒョン監督は色への拘りが強いですね。
赤は「欲望と暴力」 を表現したい時に使用します。そしてついで申し上げますとソヨンの悲しみと絶望は青系のライトで対比していましたね。
女性たちの演技が圧巻

チョン・ジョンソの豹変演技は中々忘れられません!
チョン・ジョンソ演じるヨンスクの粗野で欲望剥き出しがどハマりしてました!狂気じみた演技のうまいこと!あんな笑い声は中々出せません。天性の女優の素質を感じます。そして、安定のパク・シネ。ヨンスクと反対に清楚で柔らかい雰囲気を上手に出しております。恐怖に泣き叫ぶ様子は圧巻です。2人の演技合戦が半端ないと思って見てました。1本の電話を通してこの2人が対峙し、テンポよく進んでくから飽きません。母親役の元ミスコリアのキム・ソンリョンはやはり美しいですね。赤いマニキュアを塗る姿の美しいこと。30代役も50代役も難なくこなせます。そして韓国人にはない独特の雰囲気のイエル。宗教に入り込み過ぎて、娘に虐待まがいな事をしている祈祷師を空気まで変える威力を持って熱演してました。どの役をやっても自分の役にしてしまいますね。父親役にはパク・ホサン(「マイ・ディアミスター私のおじさん」兄のパク・サンフン役出演等)、イチゴ農家役にはオ・ジョンセ(「サイコだけど大丈夫」兄のムン・サンテ役・「椿の花咲く頃」ノ・ギュテ役出演等)など名だたる超名俳優を揃えてます!
白馬のヒーロー的な男性の存在を一切介入していないのも本作が格好いいところです。
考察 ここからはネタバレ含みます⚠️⚠️⚠️
家もまた主人公!?

家がまるでひとつの生命体!?
ソヨンとヨンスクの状況に合わせて家が生き物みたいに変化していきましたね。ソヨンの両親が現存している時はとてもきれいで整頓されてますが、終盤ヨンスクが凄まじく荒れていると家も荒廃していていてうまく感情に合わせて家の状態が対応していたなと思いました。
タイムパラドックスを視覚化していて分かりやすい

タイムパラドックスを斬新な映像で視角化しているところがこの作品の特徴だよね。
過去を変えると現在の運命が変わるという大枠はよくある設定です。ですが、このタイムパラドックスを斬新な映像で視角化しているところがこの作品の特徴だよね。「過去を変える事で現在が変わるという事」が、リアルタイムで映像化されていましたね。例えば、髪の毛が長くなったり、死んでいた人が生き返ったり、家の雰囲気や、火傷の様子まで。パラレルワールドではなく、現在と過去を持っている1本の時間軸が同時進行で変わっていく様が映像化されていてのが面白かったです。ストーリーも破綻していなくて丁寧に作れていました。
映画 バタフライ・エフェクトが頭によぎる!?

バタフライ・エフェクト(2004年 アメリカ)を少し思い出しました。
あの作品も秀逸。過去を書き換えようとした男がどんどん思ってもみない方向に進んでいってしまう。バタフライ・エフェクトとは「ある場所で蝶が羽ばたくと、地球の反対側で竜巻が起こるという意味。」愛する人や家族を助けようと過去を変えようとするんだけどうまくいかない。。
母と娘の親子の絆

母と娘の親子の絆をしっかり描かれてたので、ただの怖いサスペンスやホラー映画以上のものがありましたね。
ソヨンは母親に対して、自分勝手に着飾ってマニキュアをおしゃれに塗っているようなイメージを持っていました。しかし、実際には火事の原因は母のせいではなかったという事実や、娘を庇って死にそうになったり母親としてのやさしさに気づくなど、親子愛も根幹のテーマにしてますね。
オススメのシーン
母親を殺した後に、暗いところから社会に出てくるシーン

母親を殺して生まれ変わったように、暗いところから光あるところに出てきたシーン。ここでのヨンスクの笑みは。たくさんの人を殺すかもしれない殺人鬼が社会に放たれた瞬間でもあります。
最後の最後のシーン 終了6分前

エンドロールが流れたからって終了してはいけません⚠️。最後の最後まで絶対見て下さい!
お母さんがこの後消えます!
おすすめ
イ・チュンヒョン監督が気になった人▶️「バレリーナ」
チョン・ジョンソが気になった人▶️「ペーパーハウスコリア」「バレリーナ」
この作品の雰囲気▶️バタフライ・エフェクト 2005年 アメリカ
おまけ

除霊の最中に養母が目にしたビジョンは、結局悲劇の未来。
そして、訓戒。人の家の冷蔵庫を勝手に開けてはいけない。
過去にいるヨンソクが有利で未来から出来ることが少なくてもどかしいですね。そしてあの冷蔵庫だらけ。全部○体が入っていると思うと怖すぎます・・・。
評価(あくまでも独断と偏見の評価基準によって)

俳優陣の圧巻の演技と凝ったストーリー展開で最後まで目が離せない!
まったくの創作ではなくて、もともとの映画を上手に韓国テイストしているので。。。
チャレンジテスト📖

設問① ソンホのおじさんが持ってくる果物はなんでしょうか?
ヒント:ここでもまた赤が使われてます。 ○○ゴ
設問② ヨンスクはミュージシャンの何のファンでしょうか?
ヒント:韓国HIP HOPの第一人者。 ○・○ジ
設問③ ヨンスクの好きなお菓子は何でしょうか?
ヒント:熊の形をしたかわいいカラフルなもの
答え 設問①イチゴ 設問② ソ・テジ 設問③グミ
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